概要:
「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」と「資源の有効な利用の促進に関する法律」の一部を改正する法律案が閣議決定されました。
目的:
この法案は、2050年のカーボンニュートラル実現と経済成長の両立を目指し、成長志向型カーボンプライシング構想を具体化するとともに、サーキュラーエコノミー実現のための制度基盤を整備することを目的としています。
主な改正内容:
1. 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律の一部改正
・排出量取引制度の法定化: 2026年度から、大規模排出事業者を対象に排出量取引制度への参加を義務付け。排出枠の無償割当、事業者間取引市場の整備、価格安定化措置を導入します。
・化石燃料賦課金の具体化: 2028年度から適用される化石燃料賦課金について、支払期限や滞納処分、減免措置等の詳細を定めます。
・GX分野への財政支援: 脱炭素成長型経済構造移行債の発行収入を、戦略分野国内生産促進税制におけるGX分野の減税による一般会計の減収補填に充当可能とします。
2. 資源の有効な利用の促進に関する法律の一部改正
・再生資源の利用義務化: 対象製品を指定し、一定規模以上の製造事業者等に再生資源の利用計画提出と定期報告を義務付けます。
・環境配慮設計の促進: 解体・分別しやすい設計や長寿命化設計など、優れた環境配慮設計を認定する制度を創設します。
・GXに必要な原材料等の再資源化促進: 高い回収目標を掲げる事業者に対し、廃棄物処理法の特例措置を講じ、再資源化を促進します。
・サーキュラーエコノミーコマースの促進: シェアリングなどのサーキュラーエコノミーコマース事業者の類型を明確化し、資源有効利用等の観点から満たすべき基準を設定します。
期待される効果:
これらの法改正により、カーボンプライシングによる企業の脱炭素化投資促進、サーキュラーエコノミーによる資源の有効活用、GX分野への財政支援を通じた経済成長と脱炭素化の両立が期待されます。
詳細情報はこちら：https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250225001/20250225001.html
