Scope 3排出量を可視化する機能を、 資源循環プラットフォーム”POOL”に実装開始。

レコテック株式会社(以下レコテック)は、GHGプロトコルが定めるScope 3排出量を可視化する機能を、資源循環プラットフォーム”POOL”に実装したことを発表します。(図1参照)。Scope 3のCO2排出量算定に当たっては、有限責任監査法人トーマツと東京大学村上研究室のアドバイスを受け排出量を可視化する機能の検討を行いました。

 

図1:ダッシュボードイメージ

 

背景

世界的に脱炭素化に向けた取り組みが進む中、環境、社会、ガバナンス要素も考慮したESG投資の動きが活発になり、従来の財務情報だけでなく、TCFDが提言する気候関連財務情報の開示が企業に求められています。そのため、上場企業を中心に企業活動におけるCO2排出量の算出、開示が迫られています。中でも、投資家に対する情報開示基盤として、気候変動、水セキュリティ、森林減少リスクの各部門に対するCDPスコアの重要度がますます高まっています。

​​Scope 3排出量が事業活動における総排出量の多くを占める企業にとっては、Scope 3排出量の算定と開示が重要です(図2参照)。しかし、取引先からの情報の取得が難しく、正確にScope 3排出量を把握することができていない状況が課題となっています。

 

図2:CDPが2019年に開示した、Scope 1,2,3それぞれが占める割合

そのような背景を踏まえ、レコテックは複数のプレイヤー間でのサプライチェーン情報を連携し、資源循環をデザインするPOOLシステムを活用して、Scope 3排出量を可視化するサービスを提供いたします。

 

【提供する機能と特徴】

  • Scope 3排出量の算出・可視化
    • POOLシステムに必要な情報を入力または設定するだけで、排出事業者に対しては、Scope 3のカテゴリ 5(事業から出る廃棄物)におけるCO2排出量情報を算出します。また、POOLシステムを活用して排出されたプラスチックを従来のサーマルリサイクルから、マテリアルリサイクルに切り替えた場合のCO2削減量情報を提供します。また、製造業者に対しては、PCR材であるPOOL樹脂を活用する際に、Scope 3のカテゴリ 1(購入した製品・サービス)におけるCO2排出量情報を算出し、提供します。またバージン材の代替素材としてPCR材を活用した場合のCO2削減量情報も提供します。

 

  • レポーティング

投資家や消費者に向け、企業が作成する報告書のためのレポートを提供します。

 

  • Scope 3排出量削減に向けたコンサルティング

Scope 3排出量を可視化することで把握できる課題に対して、具体的な対策の立案、実行サポートを行います。

 

 

今後の展望

  • 第三者保証を取得

POOL上で算定された算出結果が、GHGプロトコルに準拠していることを証明する第三者保証を取得予定です。

 

  • 国際的な基準に準拠したレポーティング機能の実装

POOLから提供されるレポーティングのフォーマットを、CDPなどの情報開示基盤に沿ったフォーマットで提供できるように機能を拡充する予定です。

 

  • 外部パートナーとの連携

企業の全体的なサプライチェーン排出量や製品単位のCO2排出量を可視化するダッシュボードを提供するプレイヤーと連携を図り、企業担当者がPOOLから取得した一次データを簡単にシステムに入力でき、算定結果がより精緻化されることを目指します。

 

[資源循環プラットフォーム”POOL”について]

“POOL”は、製造業者が自社製品に活用するために、トレーサビリティのあるリサイクル材を提供する資源循環プラットフォームです。ごみの発生から、運搬、リサイクルのすべての過程で、スマホやタブレットで簡単に情報連携することで、リサイクル材を活用する上で欠かせない、「どこから」、「どのようなプロセス」を経てリサイクルされたかを表す、トレーサビリティ情報の提供をします。