国内初*1大学を拠点にしたプラスチック資源回収実証を、 福岡大学で開始

レコテック株式会社(以下レコテック)は、福岡県の外郭団体である公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センターの「研究開発事業」に令和3年度に続き、令和4年度も採択され、公益財団法人福岡アジア都市研究所(以下URC)、双日株式会社(以下双日)、凸版印刷株式会社(以下凸版印刷)、福岡大学と共同で立ち上げた、「プラスチック再生材の市場と利用可能性に関する研究会」を活用し、花王株式会社(以下花王)、三菱ケミカル株式会社(以下三菱ケミカル)、株式会社リコー(以下リコー)の協力のもと、国内初の大学を拠点としたプラスチック資源循環実証を、福岡大学で開始しました。
*1:レコテック調べ

【背景】
今年の4月に施行されたプラスチック資源循環促進法により、各主体がプラスチックの資源循環に向けて具体的なアクションが求められるようになりました。

製造・販売事業者等による自主回収・リサイクル
拡大生産者責任も踏まえ、製造・販売事業者等が店頭等でプラスチック製品を資源として自主回収を行う取組が拡大しています。

排出事業者による排出量の削減・リサイクル等
オフィス、店舗、工場などでもプラスチックごみの排出量の削減・リサイクルが求められるようになりました。

市区町村によるプラスチックの分別回収・リサイクル
家庭から出るプラスチックごみについては、各自治体が分別ルールを再設計し、プラスチック資源を分別・回収・リサイクルする取り組みが進んでいます。

各主体の取り組みが進む一方、製造・販売事業者等による自主回収・リサイクルについては、資源回収のコスト、品質の安定化、及び量の確保が大きな課題となっているのが現状です。

また脱炭素の文脈では、2050年のカーボンニュートラル(=温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること)の達成に向けて、全国の大学が、国・自治体・企業等との連携を通じ、その機能や情報発信力を高めるための「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」を2021年7月に設立し、福岡大学もこれに参加しています。

 

【目的】
このような背景を踏まえて、製造・販売事業者等による自主回収・リサイクルの取り組みの課題を解決すると同時に、大学からのカーボンニュートラルの達成に向けた取り組みとして、多くのZ世代が集まる大学という場所を回収拠点とし、プラスチック資源の回収ポテンシャルとCO2の削減量について検証することを目的とします。

【実証事業の概要】
福岡大学は19,611人が在籍し、多くのZ世代が訪れる場所です。その大学内の3箇所(文系センター前、中央図書館前、オアシス)に設置する回収ボックスにて、洗剤やシャンプーなどのつめかえパックと弁当ふたを回収します。つめかえパックについては、家庭もしくは校内できれいに洗浄して乾かしたものを回収します。回収した容器は花王の研究所へ運び、分別・洗浄・処理した後、つめかえパックへの水平リサイクル技術の検証をします。弁当ふたについては、校内できれいに洗浄して乾かしたものを回収します。ふたごとにプラスチックの種類が異なるため、リコーのプラスチック判別機を活用し、回収された弁当ふたのプラスチックの組成を検証します。また、本プロジェクトの実行にあたり、福岡大学工学部で、超先端材料・リサイクル研究棟の八尾教授の指導のもと、有志の学生団体が以下を行います。
• 本プロジェクトの大学内での広報活動
• 回収ボックスの設置
• 回収された資源の組成分析
• 品目ごとに計量し、POOLシステムへの登録
• 回収データに基づいた、年間回収量の分析
• 予測回収量におけるCO2削減効果シナリオの検証

回収期間: 2022年10月~2022年12月(予定)
回収拠点:福岡大学
回収対象:つめかえパック、弁当ふた

図1:回収ボックスイメージ

 

【プロジェクトメンバーと各社の役割】
福岡大学:プロジェクトの企画/オペレーション
レコテック:プロジェクト統括/資源循環プラットフォームPOOLの提供/事業モデルの構築
凸版印刷:コミュニケーションデザイン設計
双日:静脈資源流通に向けたネットワーク提供
URC:事業推進/現地コーディネーター
花王:使用済みつめかえパックの再生・評価
三菱ケミカル:お弁当ふたの回収ポテンシャルに対する評価
リコー:プラスチック判別機の提供

図2:スキーム図

【目指す姿】
本取り組みを踏まえて、資源の回収ポテンシャルを分析し、大学での持続可能な資源回収モデルを構築した後に、他大学への全国的な展開を目指します。そうすることにより、大学でのカーボンニュートラルに向けた具体的なアクションを推進すると同時に、学生と企業が連携し、実践的な学びを得る機会の創出を促します。

 

【各社概要】
公益財団法人福岡アジア都市研究所
・会長|貫 正義
・設立|1988年8月
・事業内容|都市政策に関する調査研究、アジア交流ネットワークの構築、都市情報の収集・分析・加工・発信
・URL|http://urc.or.jp/

双日株式会社
・代表|藤本 昌義
・設立|2003年4月
・事業内容|総合商社
・URL|https://www.sojitz.com/jp/

凸版印刷株式会社
・代表|麿 秀晴
・設立|1900年1月
・事業内容|情報コミュニケーション事業分野、生活・産業事業分野、エレクトロニクス事業分野
・URL|https://www.toppan.co.jp/

福岡大学
・代表|朔 啓二郎
・設立|1934年4月
・URL|https://www.fukuoka-u.ac.jp/

レコテック株式会社
・代表|野崎 衛
・設立|2007年5月
・事業内容|廃棄物対策コンサルティング、環境機器・プラント導入支援
・URL|https://www.recotech.co.jp/

花王株式会社
・代表|長谷部 佳宏
・設立|1940年5月21日(創業:1887年6月19日)
・事業内容|「ハイジーン&リビングケア」「ヘルス&ビューティケア」「ライフケア」「化粧品」のコンシューマープロダクツ事業、産業界のニーズに対応した「ケミカル」事業
・URL|https://www.kao.com/jp/

三菱ケミカル株式会社
・代表|福田 信夫、池川 喜洋
・設立|2017年4月1日(創業:1933年8月31日)
・事業内容|機能商品、素材他
・URL|https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/index.html
株式会社リコー
・代表|山下 良則
・設立|1936年2月6日
・事業内容|デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、機器部品等の製造・販売
・URL|https://jp.ricoh.com/